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加来絶望だつていふんだらう。

この「若返り法」について、先づわが畏友A博士はどう考へるか、その解答はもう耳に聞えるやうである。曰く、「うむ、まあ、それでも、やらないよりはましだらう」

女――そう、ではどうぞ。……あなた、今日は御気分はどう。

此日に岩本、森田氏と来て、自分に日記をくれる。

「本当!」

それでも、またふしぎなことに、私は淋しくなかった。小さな小さな、光るものが心の中にあって、それが力となり喜びとさえなった。

B――お前の見方は、高邁ではあるが残酷だ。俺は彼等に対して、もっと人情の多い愛を持っている。彼等がより深く生きることよりも、より幸福に生きることを、俺は望んでいる。俺の死によって、彼等が如何ばかり深い心の痛手を受けるか、如何ばかり悲しみ悩むか、それを俺は恐れるのだ。俺は彼等を幸福にしてやりたいのだ、生きていて幸福にしてやりたいのだ。

私は恥ずかしかった。キスそのことではない。キスなどは映画でいくらも見ている。恥ずかしかったのは、手塚さんと姉さんとのキスが、醜くてグロテスクだったこと。いくら背丈がちがうからといって、首縊りみたいな真似をしなくてもよさそうなものだ。そしてあんなところで、醜い桜の木のそばなんかで、しなくてもよさそうなものだ。恋人同士のキスにある筈の、清らかさ香り高さなぞ、みじんもなかった。

リッケルトの科学論が夫々の科学的世界の現実的内容にまで食い込むことが出来ず、従ってそれだけ現実的・実践的・実際的でないということ、之を吾々は見たし、又之を人々はよく説くであろう。それが科学論にとって、結局は一つの致命的な欠陥となることを否定出来ないであろう。併しこの欠陥は、他の点に於て、非常に尤もな理由を有っている。今この理由を理解するのでなければ、リッケルトの科学論を根本的な動機から把握したことにはならないであろう。リッケルトの科学論の動機の一つ――それは今まで学問の分類それに従って又方法論の動機となって現われた――は、根本に於て、学問性の特色を明らかにするという動機によって動機されていることが見出されるであろう。何となれば事実彼は、単に学問の分類を――他の多くの人々が百科辞典的興味からしたように――学問の分類として企てたのでもなく、又単に方法論を各個科学夫々の方法の理論として試みたのでもなくして、全く、自然科学に於ける学問性が歴史学に於ける学問性をまでも圧倒しようとした諸科学の一時的歴史状態に基いて、特に自然科学的学問性――それを彼は一般化的概念構成に求めた――から、歴史学的学問性――価値関係づけ――を防護しようとする関心から出発したのであったからである。それ故にこそ、彼の科学論は学問分類一般ではなく、特に自然科学と歴史科学との限界を与えるべき「区別の徴表」の発見をその課題としたのであったし、又この二つの科学に就いても夫々の方法の現実的内容にまで立ち入って規定することを当面の課題とはしなかったのであった。自然科学と歴史科学との限界、而も夫々のもつ学問性の区別、之を見出すことがリッケルトの科学論の根本的な動機をなす。

冬菜ええ、今、湯タンポを取りかへます。もう一つおいれしますわ。

*現象という概念が、文字を同じくする他の諸概念とどう異るかを、立ち入って述べるまでもないであろう。ハイデッガーは之を分類している(M.Heidegger-SeinundZeit-S.28ff)。

二枚位の凧を上げていて不思議に思うことが一つあつた。それは日沒後まだあかねの射す頃、十分に上つた凧が惜しくて下さずに遊んでいると、風はばつたり止んでしまつても凧の下りぬ事だつた。小づかひを貰ふ度糸を買足し/\して、たるみにたるむ程長く伸してるのだから、凧は可なり遠く高く、風の吹き止んだ夕暗の中にぽつんと浮んでいるのだ。二度ばかり出くはした。下界の風は凪いでも、天空には不斷に吹いているのであらう。

二日日曜。始めてJeffersonの説教を聞く。

「ごきげんよう、どうもいろいろと……」
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