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哲学と科学との区別を特に提唱する必要があるかないかは、その時代々々の学問の史的条件によって決定せられるであろう。科学が偏狭にして大胆なる形而上学となる時、又哲学が固定した原理を以て生きた事実を強制しようとする時、叫ばれるものは哲学と科学との相互の根本的な限界である。之に反して、科学が或る与えられた手法に堕して普遍的展望を失った特科の学となる時(それは悪い意味に於て言葉通り科学である)、又哲学が科学の取り扱うに適わしいような事実から純粋となることによって実は空疎にして不毛な思弁としてしか見出されない時、両者の衒学的区別は批難されねばならないであろう。さて人々は現在、この二つの場合の何れに於て自らを見出しているか。併し吾々にとっては――学問の現実的な分類を求める吾々にとっては――、科学と哲学とを区別すべきであるか無いかは、当面の問題とはならない。二つのものの区別を提唱する人々も、区別の撤廃を要求する人々も、同じく、現在に於ける二つの学問が事実上区別され、或いは区別されるものと事実上考えられていることを、その出発点としている。吾々にとって必要なのは正にこの事実――区別の事実――であって、まだその区別の是非ではない。それに、現に今吾々が試みようとしている学問の分類という問題は、特殊なる夫々の所謂科学が取り扱うことの出来る問題ではない。何となれば二つの科学の関係――この関係の一つが両者の区別である――の考察は、無論二つの夫々の科学からでは決定出来ない筈であろうから。そうすれば学問の分類は、夫々の科学ではなくして、云うならば科学の科学によって、初めて正しく取り扱われることが望まれる。そして科学の科学、それを哲学と呼ぶことは恐らく不都合ではない。科学と哲学との区別という事実は今の吾々にとって茲に厳存している。
対象の区別を原理として学問を分類することは、従来の学問分類の殆んど大多数を支配する特色である。そしてこのことは決して偶然ではないであろう。何となれば吾々は已に学問がもつ対象―方法の存在論的構造に於て、何故学問が対象によって分類されるのを普通とするかを、理解しておいた筈であったから。事実、学問分類の問題は対象概念と離すことの出来ない対応関係にあると考えられた(之に反して科学論の問題に対応するものは方法概念であった)――前を見よ。併しその時と同時に又吾々は、学問の性格が――そしてこの性格を理解する一つの道が学問の分類を動機づけたのであった――結局はその対象にあるのではなくして、正にその方法になければならない理由をも見た(この理由は方法概念の実践的優越にあった)。学問の分類がより根柢的・性格的であるためには、それ故之は対象による分類から方法による分類へと移り行かなければならない。
*プラトンの『テアイテートス』は続けて述べる、説明し得る正しき意見もまだ真の知識と云うことが出来ないと。けれども私は茲に止ることを有利と考える。プラトンに於てと異って、吾々の問題は、真知識を問うのではなくして学問性を問うのであったから。
**吾々はその著しい者として他になおP.E.Dove(―1850―)とかH.M.Stanley(―1884―)とかをつけ加えることが出来る。
その位混むと、乗客は次第に人間らしい感覚を失って、自然動物的な感覚になって、浅ましくわめき散らすのだったが、わずかに人間的な感覚といえば、何となくみじめな想いと、そして突如として肚の底からこみ上げて来る得体の知れない何ものかに対する得体の知れぬ怒りであろうか。
***ヴィンデルバントの如きは数学と哲学とを合わせて「合理的科学」と呼び之を他の「経験科学」に対立せしめた(Windelband-Prludien-Bd.-S.141)。
精神科学は、一方に於て心理学として自然科学に対立することが不当であり、他方に於て歴史科学として理解されることも不適当であることが主張された。精神科学という概念の代りに単に歴史科学か又は文化科学かの概念が望まれる。之こそ初めて真に自然科学に対立することが出来るであろう。歴史的方法に基く諸科学は、之をその形式から見て名づける時、歴史科学と呼ばれ、之を内容から見て名づける時、文化科学と呼ばれるのである。今やリッケルトによれば経験科学は自然科学と精神科学とに分類される代りに、自然科学と歴史科学(又は文化科学)とに分類されなければならない*。
成る程思考は一切の理論的労作に必ず伴うであろう。如何なる理論的な労作も皆思考という形式に於て行なわれる、理論的労作は凡て思考に還元される。併しそうであるからと云って、一切の理論的労作が思考という概念によって理解し尽されるということでは之はない。或る種類の理論的労作――学問――は思考の外に一歩も踏み出さないからと云って、単に思考という概念によって理解し尽されはしない。学問は単なる思考ではなくして或るそれ特有の性格を持った特殊な思考でなければならない――方法的な乃至は体系的な又は一定の対象を有った限りの思考が学問であるであろう。そうすれば例えば学問の形式はなる程思考の形式に従いはするが、併し後者と一つではなく従って後者だけから理解されることは出来ない。そうすれば又学問の形式に就いての学問はなる程形式論理学にぞくしはするが、併し後者と一つではなく従って後者だけから理解されることは出来ない。無論学問の形式から特に思考の形式だけを抽象し独立せしめることはどのような場合でも出来なくはない、そのような結果が形式論理学に於ける向の所謂方法論であったのである。けれどもこの場合問題となるのは実は学問の形式ではなくして、学問に於ける思考の形式に過ぎない。学問の形式と呼ばれて然るべきものはこの場合の問題として這入って来ることは出来ないであろう。思考の形式を取り扱う形式論理学によっては理解し尽されないもの――学問の形式――を取り扱う学問、それはもはや形式論理学ではない筈である。
微笑していた。
中心になっているのは当然ピオニェール、コムソモールであるが、党員以外の若い者は、男女を問わず革命以前に見られなかった新人間として成長しつつある。
お仕事頑張ってくださいね。
A――死と共に一切が亡びてしまうことは、俺にとっても同じだ。ただ俺は、生きるも死ぬるも、どちらだって構わない。そんなことは俺の知ったことではない。生きてる間は甘んじて生き、死ぬる時には甘んじて死ぬ、それが俺の態度なんだ。
被征服者の生の拡充はほとんど杜絶せられた。彼等はほとんど自我を失った。彼等はただ征服者の意志と命令とによって動作する奴隷となった、器械となった。自己の生、自己の我の発展をとどめられた被征服者は勢い堕落せざるを得ない、腐敗せざるを得ない。
「今の歌もう一度歌って下さい」
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