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吾々は他の言葉で存在の今までの規定を繰り返そう。直接なものは、現象は、即ち存在は、出逢うことであると言うことが出来る。それ自体に独存的に存在していながら、偶々主観の鏡に写ることによって吾々に通達出来るようになるような、そのような存在でもなく、主観の普遍的必然的構成に於て初めて浮び出るようなそのような存在でもなくして、吾々の存在はまず第一に現象するのであった。そしてこの現象が出逢うということである。そして出逢うことの最も根本的な――根本的の意味は前を見よ――出逢い方は世界に於て出逢うことに外ならない。世界に於て出逢うとは関心を以て相会することでなければならなかった。この意味に於て吾々は語ることが出来る、最も根本的な存在は交渉的存在であると。
平塚白百合さんは藤澤に入らしたので、會へは出なかつたが、春になつて令弟と一しよに筑波の西へ來られた。夫君は今を時めく勅任官であるから、お茶を召上るにもお箸を執るにも小笠原が離れず。夜、奧の間へ寢に入らしたあとを、妻が茶道具をかたつけて引き取らうとしたら、平塚さんはまだ帶さへ解かずに襖のかげに手を附いて待つていた。妻はすつかり參つて、肩のこりが三日も取れなかつた。
ソヴェトの労働者は、こうして「クラブ」で自由に楽しみながら五ヵ年計画の仕事を一生懸命でやっている。
芹は雪間にすら顏を出す。銀いろのびらうどに包まれて、うつら/\まどろんでる猫柳の芽。それに觸るる柔かな指先の感じは母の乳首を思ひ出させる。少しすると、表皮が裂けて黄いろい花粉をつけた花房となる。私はよく佛壇の花いけにした。一度、それが花となり、芽となつて切口から白い根の生えてたには驚いた。
冬菜それがおできになれば、立派ですわ。きつと、あなたには、それがおできになれますわ。
私は問題を簡単にするために、世界を自然にのみ限ろう。そうすれば以下、科学的世界は自然科学的世界に限られる。
ところが、省線電車の駅近く、賑やかな街路の明るい灯を見ると、私はふと、騙されたような気持ちに変った。誰が騙したんでもない。先生やあの人たちが騙したんでもない。ただ私の方から騙されたんだ。つまり、すべてが嘘だったんだ。先生はじめ皆が言ったこと、したこと、すべて嘘だったんだ。それでは真実はどこにあるのだろうか。私の方だけにある。どこにもなく、ただ私の方だけにある。
数学の応用が科学を勝義に於て精密ならしめるのは、この数学が、数と空間との対応を含む場合であるのである。人々は直ぐ様幾何学に思い及ぶであろうが、幾何学であっても、例えば位置解析学や、純粋射影幾何学は数とは無関係である。このような幾何学の応用は科学を精密にはしない。計量的な幾何学のみが、数と空間とを対応させる幾何学だけが、――そして逆に幾何学を外にして之をなし得るものはない――それを応用した科学を精密にすることが出来る。何故幾何学を他にして之をなし得ないかと云えば、例えば算術や代数の数値を延長として解釈することは、要するに一つの解釈であって、必ずしも数と空間(延長)との対応ではないからである。もし延長が延長と解釈されたものではなくして実際の延長であるならば、それはとりも直さず、幾何学的座標に依っていることに他ならない。数と空間との対応は幾何学だけに固有なのである。尤も計量的な幾何学であっても、射影幾何学的計量に基くものに於ては、数と空間とが対応するのではなくして、矢張り空間が数として解釈されるに過ぎない。そこでただ純粋の計量幾何学のみが数と空間との対応を与えることが出来る。之を云い換えればこうなる。ただ座標幾何学のみが科学を精密にすることが出来る、と。精密という概念の動機を追求すると吾々はこの結果へ行き着く。
彼等はただ主人を選んだ。主人の名を変えた。そしてついに根本の征服の事実そのものに斧を触れることをあえてしなかった。これが人類の歴史の最大誤謬である。
ここにおいて、この両極の調和、というよりはむしろ、征服者が本当に被征服者を征服しおわせんがために、社会の諸種の制度が生れた。
津丸非常に面白いお話ですが、そのことをひとつ、二十枚ほどで……。
「味はどうですか、草の色をした酒ですよ、」
「下宿でもしているんですか、」
咲、自家用にのって、やすい花屋をさがして吉祥寺前の問屋とかで買って来た由。
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