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****ヴントの分類はそのLogik-Bd.-PhilosophischeStudien-SystemderPhilosophie等に与えられている。なお田辺元博士『科学概論』一七七頁以下を参照せよ。

細木しかし、先生の、さういふところが、僕は好きだなあ。決して、ただのセンチメンタリズムぢやないと思ひます。

論証的学問性と透察的学問性、之を区別する権利を吾々は得た、そして前者は事実決定の真理に後者は事実解釈の真理に基く。この区別を混同する時、人々は多くの誤った困難を見出すであろう。例えば論証的学問性をもつべき科学に対して透察的学問性――それは性格的であった――を要求する時、その科学の無味乾燥が、非人間性が、何かの意味に於て批難されても好いかのように見えるであろう。併しこのような批難はその科学の正常な感覚を欠いているということを他にして何の意味も無論有たない。又逆に透察的学問性を有つべき科学に対して論証的学問性を求める時、その科学の散漫が、不正確が、批難されるべきものとして現われるであろう。例えば歴史学――それの学問性に就いては今述べる――は科学なりや否や、というような、或時代の題目は、恐らくこのような批難によって促されたものであろう。このような批難は批難するものの誤解を云い表わすものでしかない。その誤解が、今云った二つの学問性の混同であった。

方法的理解――方法を中心とする中枢的把握――と云ったが、併し方法とは何であるか。無論私は学問(乃至学問研究)の方法に就いて答える。そして夫と反対――反対の意味は後に説明される――なものを通じてそれを分析するのが適わしい。方法に反対なるものは対象である*。対象は方法の目的であり、方法は対象の出発点であると云ってよい。吾々が方法によって通達するもの、それが対象である。処で或る特定の対象に対して或る特定の方法があるのが至当であると思われる。もし任意の対象に対して任意の方法が適わしいとすれば、特にこの学問の方法というような事を吾々が問題としてそれに関心を有つ理由がない筈である。処が方法が吾々にとって抑々問題となるのは、之がこの学問又はかの学問の夫々の性格を云い表わすからであった。故に特定の対象に対して特定の方法が対立する。今仮に、特定の方法と之に対する特定の対象という二つの既知の概念を用いて、さし当り最も形式的な出発をとるとすれば、論理的に必然な選言として次の四つの場合が現われて来る。(一)対象が方法を決定するか、(二)方法が対象を決定するか、(三)それとも対象でも方法でもない第三者が両者を同時に決定するか、(四)それとも又方法と対象との相互決定であるか。何となれば、特定なものとそれに対立する特定なものとの間の関係を、最も一般的な言葉をかりて、決定と呼んでよいから。恐らく第一の場合は、素朴的乃至独断的、或いは或る意味に於ける実在論的立場と呼ばれるものを云い表わし、第二の場合は「コペルニクス的転回」を経た批判的乃至或る意味に於ける観念論的立場と云われるものを代表するであろう。けれどもこの二つの立場の是非は、或る手懸りを得た後に初めて決定されるべきであって、始めから之を決定して出発することは吾々にとって不利である。何となれば方法と対象との内、何れかが特に優先権を有つ事は形式的出発としては許せないから。第三の場合は方法と対象とへ同じ権利を与える点に於て形式的に整っているには違いない、けれどもその第三者とは何か。吾々は今方法と対象との二つの概念しか知らない。第三者は「或るもの」の外何とも云うことは出来ない。処がそのような「或るもの」から出発することは常に不可能である。何となれば或るものとは、何物の手懸りにもなることが出来ないという意味に於て、一つの逃避的概念であるからである。たとい方法と対象との総合がそれであると云っても、その場合のように単に総合するための総合こそは、折衷の概念がそれを説明しているように、一つの代表的な逃避的概念に外ならないであろう。かくして残るものは第四の場合――相互決定――だけである。第一にそれが形式上の整備を有っていることは明らかである。次にそれは出発の手懸りとなることが出来るに違いない。相互決定の概念が決して逃避的概念ではなくして生産的な概念であることを、私は次第に明らかにして行けるであろうから。

私が女性画――特に時代の美人画を描く心の中には、この美しい日本髪の忘れられてゆくのを歎く気持ちがあるのだと言えないこともない。

大阪M・K

大里おツ。

ところが、省線電車の駅近く、賑やかな街路の明るい灯を見ると、私はふと、騙されたような気持ちに変った。誰が騙したんでもない。先生やあの人たちが騙したんでもない。ただ私の方から騙されたんだ。つまり、すべてが嘘だったんだ。先生はじめ皆が言ったこと、したこと、すべて嘘だったんだ。それでは真実はどこにあるのだろうか。私の方だけにある。どこにもなく、ただ私の方だけにある。

「味はどうですか、草の色をした酒ですよ、」

眼の底が次第に白く更け、白い風が白く走る寒々とした焼跡に、赤井はちょぼんと佇んでいたが、やがてとぼとぼと歩きだした。が、どこへ行こうとするのか、妻子を探す当てもなく、また、今夜の宿を借りる当てもない。

そして、その後次々に展回される惨状に対し、この著者は科学者としての眼を次第に働かせて行くのだが、八月十日一枚のビラからあれの正体を知ると、

と叱りつけました。

冬菜完全に治つていた筈の肺がですの?でも、早見先生、主人はかねがね、死といふ問題を深く考へてをりました。つい四五日前でございましたか、もちろん、戯談めかしてではございますが、もし、命が助からんといふことがお医者さんにわかつたら、すぐに自分の耳に入れるやうにしてくれ、と申すんでございます。日頃の考へかたから申しましても、それだけの覚悟ができているに違ひございませんし、予めそれを知つて、なにか大事なことを言ひ遺しておきたいのではないかと、思うんでございます。

「啓子さんによ。」
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