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*Whewellはその独特の立場から、学問が精神能力によって分類され得ないことを主張した。
このような自由芸術としての学問は他の自由芸術から区別されねばならないが、今は、最も広い意味に於ける詩――それは学と最も密接な関係を有つ――から之を区別すれば足りる。詩は或る意味に於て学問と非常に似ているであろう。詩は想像に基くとよく云われるが、学問も亦特にそれなくしては研究を進めることが出来ない。丁度事物への感覚――その働きの一つが実は想像と呼ばれるものに他ならない――を欠いた詩が感傷に終らなければならないと全く同様に、感覚なき学問は単なる博識に終るであろう。学問がimaginatioに基くという言葉は茲にもその意味を有つ(一例としてデカルトを挙げよう*)。そればかりではない、或る特定の学問は詩と全く同じ能力に基き同じ使命を有つとさえ考えられる。「哲学は芸術と全く同じく生産的能力に基く。」「平俗な実在から逃れ出る道はただ二つである、吾々を観念界に移す処の詩と、吾々の眼前の実在界を全く消滅せしめる処の哲学と**。」併しながらそれにも拘らず人々は無論両者の間の重大な区別を見逃してはならない。両者がたとい同一の生産的能力に基いても、両者は已に「生産能力の方向を異にしている***」のでなければならないからである。そして或る他の一つの意味に於ては、却って詩ほど学問を遠ざかっているものはないであろう。詩は想像に基くと向に云った。処が学問は之に反して、今の場合の意味に於ては想像に基くのではなくして、正に理性に基くのでなければならないと考えられる***。そして理性は想像とは正反対な概念であるであろう。事実人々は、学問と詩との乖離を嘆き、又学問と詩との分離を誇る。さてこの両つのものの区別の原理は何処にあるのか。人々は知識(認識)概念をかりてこの区別の標準を求めるかも知れない。併し吾々は学問性の概念の有無を以て之に答えることが出来る筈である。その分析を吾々は前にすでに行なっておいた。
細木僕は、ただ感動した。自己の生命の終焉を、ああいふ風に、一個の興味ある現象として、静かに、そして、爽やかに観照できるといふことは、なんといふ人格だらう。それはもう、単なる思想でも観念でもない。パーソナリティーそのものだ。
さて対象による分類に来る。アンペールは自ら与えた分類の特色を、学問それ自身の考察に基く処に存在すると考えた*。恰もリンネが植物の分類に於て植物そのものの性質をその原理としたと同じ精神と意味とに於て、アンペールは学問自身の性質に基いて学問の分類を与えると考えた。学問それ自身の性質ではなくして精神的能力の性質に基いて与えられたベーコン・アランベールの分類法――三分法――とは異って、彼は二分法を採用した点に他のも一つの特色を有つ。sciencescosmologiquesとsciencesnoologiquesとがその第一次の分類である。処が学問それ自身の性質とは彼によれば正に対象によって代表されるに他ならない。故にこの場合の分類の原理は対象に存在するのである。ベンサムはアンペールと略々同じ動機に従って彼自身の二分法――coeontologyとidiontology――を有つ。又アンペールの分類を訂正したものとして吾々はクルノーを有っている。クルノーの分類の特異な点は三つの系列と五つの群との組み合わせを以てその原理とする処にあるが、この系列も群もそれ自身対象的区別に基くのである**。対象による分類の内最も精密であり又最も現実的にして***且つ現代の学問状態に適切であるのはヴントの夫でなければならない。ヴントの分類は人々の能く知る処である****。
十二日博物館、展覧会、活動、
そう言うと、赤井の眼は急に生々と輝いた。
女――ええ。いいお天気ですよ。
「あのウ、失礼ですが、あなたはいつか僕らの隊へ、歌の慰問に来て下すった方ではないでしょうか」
そして今、手塚さんは、なんということを私に言ったか。私の方を愛していたと。おう、私の方をだって。そんなことがどうして言えるのだろう。そして、私の愛情を求めるつもりではないと言いながら、私の手を両手に握りしめた。汚らわしい。そして、分りますね、分ってくれますねだと。いったい、何を分って貰いたいのだろう。然し、私にも少し理解しかけたことがある。
さてこの平凡な結論は一つの説明を含んでいる。方法の問いは、即ち一般に方法論は、実践的動機に於てのみその必然を有つことが出来る、ということが今や明らかとなったであろう。というのは実践的学問態度――研究――によって動機づけられるのでなければ、方法の問題は決して本来の問題として発生して来る理由がないということである。吾々は方法論を如何なる動機に従っても追求することは出来るであろう。単に話柄として掲げられたものとして之を考察することも出来るし、或いは学問の研究に全く無関心でありながらもその学問の方法論を思弁することも出来る。吾々は或る学問を研究する代りに、其の学問の諸々の方法の説だけを比較し按配することも事実出来るであろう。処がこの種類の所謂方法論が如何に不毛であり無力であるかを人々は知っている。併しそれは何故であるのか。吾々の結論は之を説明する。方法の問いは学問実践からのみ発生する。従ってその発生の地盤である実践を遊離した処の方法論は、実は方法を発見しようとする誠意を欠いた一つの閑話である他はない。この種類の営みは方法なき研究がそうあると同じ程度に、浪費の危険に曝されるであろう。方法の問題は実践的課題である。方法・対象の関係が方法・対象の対立の単なる総合というような視角に於て見ることが許されず、特に存在論的構造から基づけられなければならなかった所以が之である。そして生活に於て方法が根柢に働いていると云った私の最初の言葉は之に基いて理解されるであろう。
*Rickert-KulturwissenschaftundNaturwissenschaft-S.34ff参照。
別に読まうといふ気もなしに、最初のペエジを開けて見ると、おもちやの形而上学といふ論文がある。何を書いているかと思つて、ふいと読み出した。
私はへんな気になった。言われるまま、室の隅っこに上りこんだ。
女は其処の横町を左へ曲つた。向ふから待合の帰りらしい二人の若い男が来たが、その二人の眼は哲郎の方へぢろぢろと注がれた。彼はきまりがわるかつた。
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